内外両女官司が抜けたところで、そもそもの計画がしっかりしていたために月の宮の大祭は、恙無く終了した。続き 聞けば皓子は、幾つもの可能性を加味して、大枠で三つ程のプランを用意したそうで。第1プランに嵌まってくれて良かったなどと笑っていたが、その周到さに秘女は舌を巻いたものだった。 そして、――…。「秘女ちゃん、秘女ちゃん! ウェディングドレスは、どれがいい?」 大量のデザインサンプルと型紙の束を持って迫り来る、愛佳お母さんと言う名の敵だけが秘女には残されたのだった。
【了】
19:10 | SS | 稲葉