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2009 *10 12 and you or nothing 〔16〕

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「――必要が、あったのか?」
 敢えて避けたり逃げたりする必要が、

19:14 | SS | 稲葉

2009 *10 11 and you or nothing 〔15〕

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 昏い、昏い闇が降ってくる。黒鏖という名の男の姿をとって。――否、それは彼の姿を見る、己が胸の裡から湧き出るものなのか。久鷹にはもう、解らなかった。
 全裸のまま食卓の上に磔られ、

19:11 | SS | 稲葉

2009 *10 10 and you or nothing 〔14〕

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 これだけの事が終わるまで、僅か十分足らず。突き刺された両手に感覚はないが、微かに残る腕の皮膚感覚で、我が身から流れた血が机に溜まりを成す程ではないと知れる。たったそれだけの間に、この男はどれだけの血を流し、どれだけの屍を積み上げたのだろう。愕然たる面持ちのまま、久鷹は黒鏖の容貌を見上げた。
 彼は手にしたシナーズ・ソードの刃を引き戻し、

19:09 | SS | 稲葉

2009 *10 09 and you or nothing 〔13〕

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 それを見て、階段の中程まで下りかけていた連中が、急いで身を翻す。
 しかし各人の反射神経、

19:08 | SS | 稲葉

2009 *10 08 and you or nothing 〔12〕

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 すでに黒鏖と久鷹の周囲には、塁々たる屍の山が築かれている。ムッとくるほど濃密な血の香りと、胸が悪くなるような屍の臭い。それを目障りだと言いたげに無造作な腕のひと振りで弾き飛ばし、消し去った黒鏖の許に、今度は中二階の席から雨霰と降り注ぐ、飛び道具の類いが襲いかかってきた。
 弓・弩弓、のみならず

19:06 | SS | 稲葉