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2009 *09 12 彼氏彼女の事情〔12〕

 一合、二合と切り結ぶ、剣戟の音が響き渡る。豪毅の気塊が捉えたと想った皓子は残像。
先に雷光に似せた火球を放った時点で、

18:34 | SS | 稲葉

2009 *09 11 彼氏彼女の事情〔11〕

 ここまでほぼ、皓子は剣のみで勝ち抜いてきた。それは守備隊相手に術は使わぬと決めていたからではなく、ただ単に使う必要がなかったからだろう。
 しかし、あの藤神を母に持ち、

18:33 | SS | 稲葉

2009 *09 10 彼氏彼女の事情〔10〕

 ――2戦目は、最初から双方ともに仕掛け合う激戦となった。
 重心変わった足元狙い、

18:31 | SS | 稲葉

2009 *09 09 彼氏彼女の事情〔9〕

 逆巻く長髪の下から顔を上げたのは、百合と見紛う美貌の女性ではなく、触れなば切れんと想わせる白皙の美丈夫であった。
 身に纏っていた錘を脱ぎ捨てたように

18:30 | SS | 稲葉

2009 *09 08 彼氏彼女の事情〔8〕

 カン…、と乾いた音がして宙に舞ったのは、しかし皓子の剣だった。天高く躍った刃は、弧を描いて回転しながら落下し、石畳の上に切っ先を下にして突き刺さる。
 信じられぬ、

18:29 | SS | 稲葉