ふぅ、と吐かれた溜息は、ほとんど同時。まるで双子のように同期して身を屈め、ベッドの上に片膝ついた二人は、左右両方から唇寄せて、愛する女神に傅いた。「「愛してる」」 だから、おやすみ。と告げる、異口同音の囁きは、くふくふと微笑う愛佳のほっぺたに吸い込まれて消えた。 ――丁度その頃、
10:46 | 未分類 | 稲葉