初めて抱かれたのは何時だったか。もう覚えてはいない。
気がつけば彼の腕
「その程度、溜まった内にも入らんだろう」
吐き捨てる科白に、ますます久鷹の愁眉が寄る。
「そんなことを言って」
雷閃の姿が白い光に落ちる影の中、朦朧と霞み始める。来た時は確かに両足を使っていたにも関わらず、その様な移動の手段を見せたということは、彼が月の宮の地下ではなく異なる空間に跳ぼうとしている証だった。
ゆらゆらと、水面に映る月影の如く
喉も裂けよとばかりに吐き出される咆哮。それは黒鏖に宛てたものではなく、雷閃に向けられたものだった。未だ雷槌を放ち続ける掌の前、怯じることなく飛び出した久鷹は、まだ稚い四肢を懸命に突っ張り、黒鏖を背に立ちはだかって雷閃と対峙する。
眼を瞠り、歯を剥き唸る、その姿は