頬の火照りも引かぬ間に、自分たちの私室まで連れ帰られた秘女は、皓子の腕から寝台にそっと下ろされ、弾かれたように顔を上げた。そこに立つ皓子はいまだ男性体であり、白い絹シャツの下には厚い胸板すら透けて見えることに気がついて、カッと眦を赤らめる。あの胸に身体を預け、顔さえ埋めていたのかと想えば、今更ながらに肌を刺す恥ずかしさが鼓動に熱を与えたからだ。 真っ赤になったきり
12:02 | SS | 稲葉