「ここから先は、通さない!」 まだ幼さの残る声で言い切った秘女に、正体の露見した賊は小馬鹿にした表情で顎をしゃくった。明らかに「小娘ひとりに何が出来る」といった風情である。その侮りが、秘女にとっては絶好の機先であった。「てぇ~い!」
09:26 | SS | 稲葉
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30