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　嵐兄弟の母親といえば、それは洩れなく藤神祐子だ。顎人と彼女とは知らぬ仲ではない。
　藤神が禁じていると言うからには、故あってのこと。

「あの分だときっと、『世界樹の庭』の方に向かったんだと思いますよ」
「あっ、……」
　すぐバラしたんじゃつまらねぇだろとボヤく青嵐を後目に、思わず顎人はホッと安堵の息を吐く。
　『世界樹の庭』とは、

描き上がったので、更新(ぇ)

例のウイルスに感染している気配もないという事を確認しての更新ですので、ご安心下さい。

とはいえ、アップロードする時は流石にひやひやしましたが。

　前回は、力を喪いかけた山神の結界に引き摺り込まれ、強引に犯されかけていた。その前は質の悪い怨霊共の吹き溜まりに足を突っ込み、あわや輪姦の憂き目を見るところだった。
　それで懲りれば良いものを、

　空は既に、満天の星が宵闇を埋め尽くそうとしていた。さやけき月明かりが降り注ぐ星空の下を、漆黒の毛並み波打たせながら滑空していた顎人は、その実、焦っていた。
　閨での些細な諍いで、妻が庵を飛び出す。