log

2009 *06 24 白き焔 〔11〕

 ――皓子の全身を覆っていた、燃えるようなオーラが消える。と同時に秘女がパン! と両手を打ち鳴らし、周囲に張っていた結界を解除する。
 赤いドームが消えるのと同時に、

22:48 | SS | 稲葉

2009 *06 23 白き焔 〔10〕

「貴女、宮を汚すと思って手加減したわね?」
 この程度の相手に遅れを取るなんて、と言外に責める皓子の言葉に、秘女は涙を溢しながら唇を噛み締めた。だって…、と言い訳する科白は安堵の嗚咽で声にならなかった。
 皓子が来てくれた、皓子が来てくれた。しかも自分の想いを誤たず汲み取ってくれた。その喜びで胸がいっぱいになり、とても言葉など紡げなくなってしまったのだ。代わりに、……。
「皓子、皓子、皓子、皓子…っ」

22:46 | SS | 稲葉

2009 *06 22 白き焔 〔9〕

「ちょあ~っっ!」
 掛け声こそ珍妙だが、

22:37 | SS | 稲葉

2009 *06 21 白き焔 〔8〕

 秘女が引き抜いた得物は――猫じゃらし。
「うわ~んっ! 違う違う~っ!」

22:30 | SS | 稲葉

2009 *06 20 白き焔 〔7〕

「ここから先は、通さない!」
 まだ幼さの残る声で言い切った秘女に、正体の露見した賊は小馬鹿にした表情で顎をしゃくった。明らかに「小娘ひとりに何が出来る」といった風情である。その侮りが、秘女にとっては絶好の機先であった。
「てぇ~い!」

09:26 | SS | 稲葉