祭場は、すでに満場の人で満たされていた。とはいえ、並み居る人々のほとんどは月の宮の身内であり、来賓は闇の城から招かれた盟主・スサノヲと日の宮から招かれたアマテラス。他は、ごく少数の関係者でしかない。
先代ツクヨミの頃であれば、
祭場は、すでに満場の人で満たされていた。とはいえ、並み居る人々のほとんどは月の宮の身内であり、来賓は闇の城から招かれた盟主・スサノヲと日の宮から招かれたアマテラス。他は、ごく少数の関係者でしかない。
先代ツクヨミの頃であれば、
「ほら、顔を上げて」
せっかくの衣装が着付けられないじゃないと叱咤され、秘女は慌てて顔を上げた。
――そう、もう大祭当日。
……女官室を飛び出した後の秘女は、惨憺たる有り様であった。まず、掃除中のバケツにハマる。イタズラな子供たちの投げる泥団子には当たる(普段は華麗に避け、逆襲まで果たすにも関わらず)。
しまいには、