塗り終わりそうです。
どうと倒れた豪毅の身体を、その後、如何にして部下たちが医務室へ運んだのか、豪毅は聞かされていない。ただ彼が倒れた直後に皓子もまた、気を失って卒倒したのだと聞かされ、少なからずホッとしたのは偽らざる真実だった。
そして今日
衝突の瞬間、爆ぜた気炎の破片のように、二人の周囲に激しい火花が散り、細かな紫電が舞った。交錯により削がれた欠片にしか過ぎないそれらですら、石畳の表面を砕き、練兵場の外壁を抉る。打ち合わされる神速の手は、既に守備隊の下級兵レベルの者の眼には追いきれなくなっていた。
斬り、裂き、打ち、砕く。